SES 複数のアカウントでのProduction Access(プロダクションへのアクセス) 申請について

 複数のアカウントでSESにProduction Access(プロダクションへのアクセス)の申請を行う際に注意が必要なようです。

 

注意点の前に、まずProduction Access(プロダクションへのアクセス)やSandbox(サンドボックス)が何かわからない方は、以下のFAQを見るとよいと思います。

    http://aws.amazon.com/jp/ses/faqs/#9

        Q: Amazon SES の使用はどのように開始できますか

        Q: Amazon SES のテストと評価を終了した後、何をすればよいのですか?

        Q: プロダクションへのアクセスのリクエストが処理された際、どのように私に通知されますか?

 

SandboxはSESの評価版のような状態で様々な制限があり、実際に使用する場合はProduction Accessの申請を行う必要があります。

 

http://aws.amazon.com/jp/contact-us/ の Amazon SES のプロダクションアクセス より申請を行えばよいようです。(英語での申請) 普通に申請すれば、普通に申請が通るはずです。

 

しかし、以下のフォーラムのように複数のアカウントでSESにProduction Access申請を行う際に理由を聞かれる場合があるようです。

 

既に、あるアカウントでProduction Access権限を持っているものの、関連する他のアカウントでもProduction Access申請を行うと以下のようなメールが届きます。

 

https://forums.aws.amazon.com/thread.jspa?messageID=416534

Greetings from Amazon Web Services,

We noticed that we already granted you Amazon Simple Email Service (Amazon SES) production access on a related account. Unfortunately, at this time we cannot grant your request for an additional Amazon SES account. Please continue to use your existing ccount for your sending needs. If you have a compelling reason for needing multiple accounts, please send a brief explanation on why you would require Amazon SES production access on this AWS account? If your reason for requesting access on multiple accounts is to send greater email volume, please submit an extended access request instead. http://aws.amazon.com/ses/extendedaccessrequest/     Please note, we are only able to provide information about the related account to the email address associated with that account.

 

 

なぜ、このように理由を聞かれるのか。

 

複数のアカウントを使用して、メールを送信し、課金されるのはユーザなのだから、別にAWS側から制限される必要もないはず。なぜでしょうか。

 

以下のフォーラムに少し記述がありました。この文章の概要ですが、複数アカウントでSESのサービスを利用しても問題はない、しかし複数アカウントでProduction Accessの申請を行い、送信可能メール数を不正に増やすことはterms of service(サービス利用規約)に反する可能性があるといっているようです。

 

https://forums.aws.amazon.com/thread.jspa?threadID=63441

For account-related questions, you can always reach out to Accounts & Billing Customer Support. Creating multiple accounts is not against the terms of service. It is OK to have different accounts for test and production systems, for example, or for separate business units which have completely distinct email sending that doesn't overlap. However, ttempting to circumvent service limits or policies is prohibited by the terms of service, and creating multiple accounts for the purpose of circumventing limits would be a violation of the TOS. Your quota will increase automatically as you send production email traffic. We recommend you gradually shift production traffic to Amazon SES as your quota grows. We describe some migration strategies in the Developer Guide. If the quota-ramp process isn't working for your circumstance, however, you can submit an Extended Access Request for additional quota, and we'll consider your request.

 

AWSがいうterms of serviceとはおそらく http://aws.amazon.com/jp/aup/ Amazon Web Services 適正利用規約 のことでしょう。

 

Eメールまたはその他のメッセージの不正利用の禁止

サービス利用者は、商業的宣伝および情報発表を含め、大量の未承諾メールあるいはその他のメッセージ、プロモーション、宣伝、または勧誘(「スパム」等)を配信、公開、送信、または助長しないものとします。サービス利用者は、送信者の明示的な許可なしに、メールヘッダーを改変または隠ぺいしない、または送信者の認証を装うことはしないものとします。サービス利用者は、別のインターネットサービスプロバイダから送信されたメッセージが本規約または当該プロバイダの適正利用規約に違反する場合には、かかるメッセージへの返信を収集しないものとします。

 

 

SESでは大量の未承諾メール、スパムを送信しないように、送信メール数に制限をかけているようです。

    http://aws.amazon.com/jp/ses/faqs/#47

        Q: 送信できるEメール数に制限はありますか?

        Q: なぜこれらの送信制限があるのですか ?

プロダクションアクセスを受領済みの新規 Amazon SES ユーザーは、24 時間当たり最大 10,000 通のメールを、1 秒間に最大 5 通の速さで送信できます。お客様が高品質のEメールを送信していれば、Amazon SES によりこれらの制限が自動的に上昇されます。

 

バウンス(Bounce)、苦情(Complaint)、質の低いメールコンテンツ(Low Content Quality) ではないメールを送る実績を積んでいくと、メール送信制限が自動的に上昇するようです。

 

高品質のメールを送信しているかチェックされ、高品質のメールを送り続けていれば、メール送信可能数は増えていく仕組みなのでしょう。裏を返せば、実績を積まずに、2つ目以降のアカウントをProduction Access環境にして、送信クォータを増やしてはいけないということなのでしょうか。

 

単に送信クォータを増やしたいのであれば、以下の申請フォームより申請を行えるようです。

https://aws.amazon.com/jp/contact-us/

Amazon SES クォータ

 

 

理由を聞かれた場合にはどのように返信すればよいのか。

 

利用者それぞれに理由があるため、それぞれの理由を素直にAWSに返信すればよいでしょう。(テスト環境のアカウントと本番環境のアカウントと分けたいためなど)

 

とにかく、理由を聞かれた場合は、自身でメールを返信して、理由を伝えなければなりません。英語での返信は大変ですが、まあGoogle翻訳を使えばなんとかなるでしょう。

 

既に、あるアカウントでProduction Access権限を持っているものの、関連する他のアカウントでもProduction Access申請を行うと、上に記述したように理由を聞かれます。

 

ここでいう「関連する他のアカウント」ですが、支払いを行うアカウント(Payer Account)と支払いをゆだねるアカウント(Linked Account)の関係のみなのか、申請者のEメールアドレスの同じドメインのメールアドレスを持つ別の申請者との関連なのか、申請者と同じ会社に所属する別の申請者との関連なのか、どのような条件であるのかAWSから明確な情報の公開がありません。

 

上のフォーラムに書いてある「Production Accessの申請を行い、送信可能メール数を不正に増やすことはterms of service(サービス利用規約)に反する」という利用方法を防ぐことをAWSが目的としているのであれば、支払いを行うアカウント(Payer Account)と支払いをゆだねるアカウント(Linked Account)の関係のみではないかもせん。まあ、できる限り調べて、メールを返信するしかないでしょう。